Android Opera TOKYO - MIRROR/Super Angels excerpts.
渋谷慶一郎の作曲・プロデュースによるアンドロイド・オペラ「Android Opera TOKYO - MIRROR/Super Angels excerpts.」にこのたび、HATRAが衣装として参加しました。
本作は昨年パリ・シャトレ座で上演されたアンドロイドとオーケストラ、1200年の歴史を持つ仏教音楽・声明と渋谷自身の演奏によるピアノ、電子音楽、そして映像、照明によって構成される大規模な劇場作品。2022年にドバイ万博にて発表、翌年には70分の作品として再制作、パリ初演を経て今回が日本初演となります。
HATRAは第一幕『Super Angels excerpts.』に出演する、ホワイトハンドコーラスNIPPONの衣装を担当しました。スロバキアのシューズブランド「NOVESTA」の協賛のもと、声で歌う「声隊」と手話をベースに体を使った手歌を表現する「サイン隊」によって構成されたホワイトハンドコーラスNIPPONの舞台に出演する、30人の子どもたちの衣装を仕立てました。
また、21世紀美術館で開催された「DXP2」展でも協働したアーティストの岸裕真とDentsu Lab Tokyoが開発する、手歌の動きを読み取るウェアラブルデバイスのセンシング技術を駆使したリアルタイムで生成される映像演出とも共演しました。
”周知の通り、オペラという形式は西洋音楽の頂点であり、人間中心主義や身体性を基盤としている。渋谷は過激にも、その中心をボーカロイドやアンドロイド、AIなど、人間によってつくられた非人間で身体も実体をもたないものに差し替えた。また、西洋音楽からも欧米の世界観や宗教観からもかけ離れた東洋の叡智である声明を、アンドロイドと接続した。意表をつく接続は、まさにオペラの解体かつサイボーグ化、そして再創造といえ、むしろ欧州が待ち望んでいたものなのかもしれない。
生をもたないボーカロイドやアンドロイド、生の彼岸と交信する人間による声明は、真逆に見える。しかしいずれも、「生と死」の境界領域と接する意味では共通する。渋谷にとっては、最新のテクノロジーも長く継承されてきたものも背反するものではなく、縁(ふち)や深淵という彼岸に接続される自由な領域であるのだろう。”
( 四方幸子「鏡、反映、ひいては相互浸透のゆくえ:渋谷慶一郎のアンドロイド・オペラ『MIRROR』東京凱旋公演レビュー」 / WIREDより引用)
[写真1-6] ©︎ATAK Photo by Kenshu Shintsubo
[写真6-11] Photo by ayakaendo
Curated by Cult* Magazine, Lisa Tanimura
【クレジット】
第一部 Super Angels excerpts.
コンセプト、作曲、ピアノ、エレクトロニクス:渋谷慶一郎
ヴォーカル:アンドロイド・オルタ4
コーラス:ホワイトハンドコーラスNIPPON
オーケストラ:Android Opera TOKYO Orchestra(コンサートマスター 成田達輝) アンドロイド プログラミング:今井慎太郎
映像:岸裕真
衣装(ホワイトハンドコーラスNIPPON):HATRA
衣装協力 (ホワイトハンドコーラスNIPPON):NOVESTA
第二部 Android Opera MIRROR
コンセプト、作曲、ピアノ、エレクトロニクス:渋谷慶一郎
ヴォーカル:アンドロイド・オルタ4
声明:高野山声明(山本泰弘、柏原大弘、谷朋信、亀谷匠英)
オーケストラ:Android Opera TOKYO Orchestra(コンサートマスター 成田達輝) 映像:Justine Emard
アンドロイド プログラミング:今井慎太郎
主催:アタック・トーキョー株式会社
共催:大阪芸術大学
協力:テレビ朝⽇
アンドロイド特別協力:大阪芸術大学アートサイエンス学科
制作協力:一般社団法人コミュニケーション・デザイン・センター、Dentsu Lab Tokyo、株式会社フレックス
企画制作・運営:アタック・トーキョー株式会社
特別協賛:PwCコンサルティング合同会社
協賛:株式会社 ポーラ、株式会社ソウワ・ディライト
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
「鏡、反映、ひいては相互浸透のゆくえ:渋谷慶一郎のアンドロイド・オペラ『MIRROR』東京凱旋公演レビュー」 | WIRED
「アンドロイドの脱未来」 | WIRED
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